今回はツチノコテクノロジーの会社名とロゴマークの由来を紹介いたします。
コロナ禍からはじまる小さな会社のストーリー
私が岐阜県加茂郡東白川村に移住してきて3年が過ぎました。
私は移住してきてからずっと東京の仕事(システム開発の仕事)を在宅で引き受けていました。
2020年3月、世間はコロナ禍に突入し、中学3年生だった息子の卒業式が、在校生は答辞を読む1名だけとなってかろうじて開催されました。その卒業式で、息子の同級生たちが「ITの仕事がしたい」と言っているではありませんか。
この子たちが帰ってきても、東白川村にはITの仕事はありません。10年後、この子たちが28才くらいになったとき、都会で経験を積んでから地元に戻ってきてそのときITの仕事ができるように、代表の永井と相談し、2020年4月に会社を登記しました。その名も「ツチノコテクノロジー」です。
社名は私がつけたのですが、大きく3つの理由からこの名前となりました。それは「読めない英語を使わない」「地元ならではの名前」「ITであることを伝える」の3つです。
読めない英語を使わない
いくつかの会社を転々とした私は、毎回苦労する場面がありました。それは、会社の領収書を作成してもらうときに、何度も社名を繰り返し伝えないといけないことです。
前の会社は「Parafamily」という会社名でした。カタカナで書くと「パラファミリー」です。
『バラ?パラ?英語ですかカタカナですか?ファミリー、綴りはなんでしたっけ?』と毎回聞かれてしまいます。
名刺を見せて、やっとわかってもらえることが多かったです。
まずは読めない英語を使わないぞと心に決めました。
地元ならではの名前
せっかく岐阜に移住してきて、岐阜で起業するのですから、地元に縁のある名前がいいと思いました。
最初に考えていたのは、「ギフトシステムズ」だったと思います。
岐阜と Gift をかけているのですが、うーむなんだかいけてないです。
私の住んでいる岐阜県加茂郡東白川村は、ツチノコで有名な場所です。毎年5月にはつちのこフェスタが開催され、子どもたちからおじいちゃんおばあちゃんまで、みんなでツチノコ捜索をします。
村にはつちのこ館という資料館があり、つちのこの特徴や捕まえ方などが展示されています。お土産としてツチノコグッズもたくさんあり、村のゆるキャラはつちのこのカップルで「つっちー&のこりん」といいます。
そういえば、稀有な能力をもった人材のことを「ツチノコ人材」などというなあと思い、「ツチノコ」にあやかることにしました。
ITであることを伝える
ITというのは非常にざっくりとした印象を与える言葉で、インターネットもスマホもWi-FiもみんなITでひとくくりにできます。
最初考えていた「ギフトシステムズ」は、「システム開発をするからシステムズ」だったのですが、響きをもう少しよくしたい!
昔々、横浜関内のテクノブレーンという会社に新卒採用していただいた思い出がよみがえり、テクノをもらおうと思いました。
最後は、カタカナなのかひらがななのかを調整するために、いつも利用している社名占い.netさんで調べて、「ツチノコテクノロジー」と決まりました。
非常にインパクトが強く、電話でも口頭でもすぐに聞き取ってもらえる本当にいい名前だなと心から思います。
ロゴマークの由来
ツチノコテクノロジーと名付けたので、ロゴマークは「ツチノコ」でいいだろうと思ったのですが、”Design Rule Index 要点で学ぶ、デザインの法則150” を読んでいた私は、「命題密度」のページを思い出します。
命題密度を高めるために、形にいろいろ意味をつけていくことにしました。
- 2つの円
- 三本線と点
- ツチノコパーツ(ベロと尻尾とかわいい目)
この形に意味を与えていきます。
- ツチノコ
- 真円 → 安定している
- 太ってる → 繁栄
- 左上を見ている → 未来を見ている、未来に向かっている
- 三本線 → 三方よし(売り手良し、買い手良し、世間良し)
- 緑色 → 山や森
- 3つの点 → 東白川村の3つのエリア 五加、神土、越原を表現
- 三本線 → 山から流れる川
- 三本線に点 → 基板回路図(テクノロジー)を表現
- 三本線が外から中に → ツチノコテクノロジーと東白川村に人と情報が集まってくる
- 横にしてもいいデザイン → 倒れそうになっても起き上がる
命題密度は 11/3 = 3.666 です。
Twitterなどのロゴの作り方と同じで円をうまくつかってすべてのパーツを表現しているところなどは、さすがデザイナーだなと感心しました。
とてもいいロゴマークができたなあと思います。
ロゴを作成してくれたデザイナーの北村さんはすごくうまく形にしてくれました。
ホームページのトップ画像はとてもかっこよく仕上がりました!
ツチノコテクノロジーの願い
「田舎に仕事を増やしたい」という願いは無事に叶い、2021年8月現在、システムエンジニア6名、デザイナー3名が作業しています(BPさん含む)。
岐阜県が3名、愛知県が4名、大阪府1名、広島県1名で、全員が在宅で仕事をしています。これからもっと仲間が増えて、場所にとらわれない仕事の場を提供できたらいいなと思っています。
はじめに起業したときに思っていた「大きい仕事を在宅で引き受けたい」という願いをかなえるために、1年かけていろいろ試行錯誤してきました。
Github, Slack, Microsoft 365, GoodLine, Re:lation, Scrapbox, クラウドサイン, 会計freee, 人事労務freee といったサービスを使って、ひたすら在宅勤務でもチームで作業できる環境の整備、さらに情報共有と事務作業の効率化を進めてきました。
そして念願だったチーム規模のシステム開発を受注することができるようになりました!
さいごに
先日、無事に1期目の決算が完了し、納税して地元に貢献することができました。
今後もツチノコテクノロジーというインパクトのある名前に負けないように、社員がすごい、組織がすごいと言われるように、毎日切磋していきたいと思います。